「社会的治癒で障害年金を請求したいです」「以前の初診日では不利なので、社会的治癒を使ってください」。
当事務所では、最初のお問い合わせの段階から、このように社会的治癒を指定されるご依頼は一切お受けしていません。
資料を確認する前に、社会的治癒を前提として受任することもありません。
社会的治癒は、本人が希望する初診日を選ぶための方法ではありません。
治癒していたと主張する期間について、治療を必要としない状態で、通常の社会生活を相当の期間にわたり送れていたのかを、医学的な情報や生活・就労の資料などから検討する必要があります。
ただ働いていた、病院に通っていなかったというだけでは足りません。
当事務所が社会的治癒という考え方自体を否定しているわけではありません。
受診歴や生活の実態を詳しく確認した結果、検討することが妥当であれば、社労士である私の側から提案します。
この記事では、最初から社会的治癒を指定する依頼をお断りする理由と、無受診・就労を社会的治癒と取り違えてはいけない理由を説明します。
目次
当事務所は最初から社会的治癒を指定する依頼をお断りしています
社会的治癒を実現することを前提とした受任はしません
障害年金の相談は、これまでの受診歴、現在の病状、生活状況、年金加入記録などを確認するところから始まります。
どのような請求が成り立つかは、それらを検討した後に判断するものです。
社会的治癒を主張するかどうかも、その過程で検討する事項です。
ところが、最初から「社会的治癒でお願いします」と指定されると、事実を調べる前に、採用しなければならない結論が置かれてしまいます。
当事務所は、その結論を実現するために受診歴を組み立てる仕事をするつもりはありません。
お問い合わせの段階から社会的治癒を指定するご依頼は、一切お断りします。
これは、結果を保証できないからという理由だけではありません。
何が起きていたかを確認する仕事と、依頼者が決めた筋書きを成立させる仕事は異なります。
費用や報酬の条件によって、この受任方針が変わることもありません。
用語の意味を知ることと請求方法を決めてくることは違います
制度を調べ、ご自身の経過に関係する言葉として社会的治癒を知ること自体は問題ではありません。
過去に受診の空白があることや、主治医から聞いた話を伝えていただくことも、事実を整理するうえで必要な場合があります。
しかし、「その期間は社会的治癒ということにしてほしい」「社会的治癒が通るなら依頼したい」という依頼はお受けしません。
用語を知っていることと、その取扱いがご本人の事実に適合することは別だからです。
専門家が確認する前から、本人が採用する結論を決めることはできません。
言い回しだけを変えれば受任するという意味でもありません。
実質的に社会的治癒の実現を前提にしたご依頼であれば、方針は同じです。
必要なのは、資料からどのような事実が確認できるかを先に見て、その結果に基づいて請求を検討する姿勢です。
障害年金の社会的治癒とはどのような考え方でしょうか
医学的な完治と同じ意味ではありません
社会的治癒は、医学的に完全に治ったといえるかだけで判断するものではありません。
厚生労働省の年金部会資料では、医療を行う必要がなくなって社会復帰している状態として説明され、その後に発症した傷病を過去の傷病とは別に扱う考え方が示されています。
ここで大切なのは、「治療していなかった」と「治療する必要がなかった」は異なることです。
通院が途切れたという外形だけでは、病状が落ち着いていたか、医療の必要性がなかったかは分かりません。
無受診の理由や、その間の症状、生活の実態まで確認する必要があります。
また、治療によって症状を抑えていた状態や、一時的に調子が良かった状態を、当然に社会的治癒と呼べるわけでもありません。
傷病の性質や経過を踏まえた判断が必要です。
医学的な寛解、治療の中断、社会的治癒という言葉を同じ意味で使わないでください。
認められた場合は初診日の取扱いに関わります
障害年金の初診日は、障害の原因となった傷病について初めて医師等の診療を受けた日です。
社会的治癒が認められた場合には、その後に生じた傷病に関する受診を、新たな初診日として扱うことが問題になります。
だからこそ、請求全体に与える影響が大きくなります。
初診日が異なれば、対象となる年金制度、保険料納付要件を確認する基準日、障害認定日などが変わることがあります。
しかし、結果として有利になる可能性があることと、その取扱いを選べることは別です。
有利さから逆算して、治癒していた期間を設定することはできません。
社会的治癒は、過去の受診をなかったことにする制度でもありません。
以前の傷病や受診歴を明らかにしたうえで、その後にどのような状態が続いていたかを説明します。
古い受診を隠して最近の受診だけを初診日とする話とは、根本的に異なります。
参考リンク:厚生労働省「障害年金制度の見直しについて」2024年7月30日・年金部会資料
通常の社会生活を送れていたことを具体的に示す必要があります
本人の「治っていました」という説明だけでは足りません
社会的治癒を主張するなら、その期間にどのような生活をしていたのかを具体的に確かめる必要があります。
単に「元気でした」「困っていませんでした」と説明するだけでなく、症状、医療の必要性、就労の実態、生活に必要だった支援などを、経過として確認します。
本人が振り返って「普通だった」と感じていても、家族が生活全般を支えていたり、仕事以外の活動が大きく制限されていたりする場合があります。
一方、当時は症状の問題なく生活していたものの、古い事情のため十分な資料が見つからない場合もあります。
事実があったかと、それを資料で説明できるかは、分けて検討します。
証明は、都合のよい説明を長く書くことではありません。
どの資料が、いつの、どのような事実を示しているかを整理する作業です。
不明な点が残るなら、不明なままにせず、確認できる範囲とできない範囲を明らかにします。
医療と生活・就労の情報を突き合わせます
確認する資料には、以前の治療を終えた頃の診療記録、再受診時の診療記録や紹介状、勤務や生活の状況を示す資料などが考えられます。
すべての事例で同じ書類が必要になるわけではなく、一定の資料を出せば必ず認められるというものでもありません。
医療の記録は、治療の終了理由や再受診までの症状の経過を理解する手がかりになります。
生活・勤務に関する資料は、本人の説明を具体化する情報になります。
ただし、給与の記録があるだけで医療不要の状態まで証明できるわけではありません。
それぞれの資料が示せる範囲を区別します。
病気の性質によって、長期間症状が表に出にくいことや、本人の自覚と客観的な状態が異なることもあります。
勤務歴だけを見て医学的な評価を置き換えることはできません。
複数の情報を合わせ、主張する内容が経過全体と整合しているかを検討します。
年数だけで成立する一律の条件ではありません
「5年通院していなければ社会的治癒になる」といった説明を見かけることがあります。
しかし、5年という数字を、すべての傷病に共通する自動的な認定条件として使うことはできません。
長い期間が経過したことだけでは、その間に治療が不要だったことまで示せないためです。
必要なのは、期間の長さだけでなく、その期間にどのような状態が続いていたかです。
初めと終わりの受診日だけを並べ、間の生活や症状を空白にしたまま「年数が足りている」と判断することはできません。
傷病の特質や治療の目的も関わります。
社会的治癒の検討を、期間を数えるだけの作業に置き換えないでください。
社労士の説明についても、「何年あるから大丈夫」という結論だけでなく、医学的な経過と生活状況をどう確認するのかが重要です。
ただ働いていたことだけでは社会的治癒の根拠になりません
在職と問題のない就労は同じではありません
会社に在籍していたことや、給与が支払われていたことだけでは、症状なく通常の就労をしていたとはいえません。
欠勤や休職を挟んでいた、仕事内容を大幅に減らしてもらっていた、周囲の支援があって勤務を続けられていたという場合もあるためです。
確認するのは、雇用形態の名称だけではありません。
実際の出勤状況、業務内容、配慮の有無、勤務の継続性、職場で生じていた支障などです。
一般就労だった、正社員だったという説明だけで、その期間に医療が不要だったという結論にはなりません。
また、働いていたことを否定する必要もありません。
確認したいのは、実際にどのような条件で働いていたかです。
社会的治癒の主張に合う部分だけを取り出し、欠勤や配慮などの事情を省くことは、経過の理解を妨げます。
勤務時間以外の生活も確認が必要です
仕事には行けていても、帰宅後や休日は症状のため横になっている、家事や対人関係に大きな支障があるなど、仕事以外の生活が制限されている場合があります。
就労の一面だけを切り取って、通常の社会生活全体を問題なく送れていたと判断することはできません。
例えば、家族が服薬や金銭管理を担っていた、勤務を続けるため生活のほかの部分を家族に任せていたなどの事情も確認します。
本人にとって当たり前になっていた支援が、第三者から見ると重要な情報になることがあります。
ただし、家族の手助けが少しでもあれば社会的治癒は絶対に認められないという意味ではありません。
支援の理由と程度、その傷病による制限との関係を具体的に検討します。
「働いていたから治癒」「家族に頼ったから不可」という単純な判定ではありません。
公的な裁決例でも就労だけでは足りないことが分かります
社会保険審査会の2024年4月30日の裁決には、一定期間受診せず就労し、運動で活動できていた事情があっても、その傷病について医療が不要だったと判断する要素を満たさず、社会的治癒が認められなかった事例があります。
この事例は、すべての病気について同じ結果になるという意味ではありません。
また、眼の傷病に関する個別判断を、そのまま精神の障害などに当てはめることもできません。
ここから理解できるのは、社会で活動できていたという事実だけでは、判断に必要な確認が終わらないということです。
受給事例や裁決を読むときも、自分に都合のよい結論だけを抜き出すべきではありません。
どの傷病について、どの資料から、どのような理由で判断されたかを確認する必要があります。
他人の事例は、ご本人の経過を証明する資料にはなりません。
参考リンク:厚生労働省掲載・社会保険審査会裁決「令和5年(厚)第201号」2024年4月30日
症状を我慢して通院しなかった期間は治癒とは区別します
病院に行かなかった理由を確認しなければなりません
通院していなかったとしても、症状が続いていたのに我慢して受診しなかったのであれば、それを理由に治癒していたとはいえません。
治療が必要だったかもしれない状態で受診していなかったことと、医療の必要がなくなった状態は別です。
自己判断で治療をやめた場合などは、治療の中断や、いわゆる治療放棄の状態が問題になります。
「通っていないから治っていた」という説明で、この違いを埋めることはできません。
無受診という事実を、医療が不要だったという評価へ自動的に変換しないでください。
もちろん、受診できなかった事情には、費用、仕事、医療機関への不安、病気への理解の難しさなど、さまざまなものがあります。
事情を確認せず本人を非難するために「治療放棄」という言葉を使う趣旨ではありません。
受診できなかった理由が何であっても、それだけで社会的治癒の根拠にはならないという意味です。
再受診時に記録された症状の経過も重要です
再び病院を受診した際に、「数年前から不調が続いていた」「薬をやめてから症状が悪くなっていた」などと伝えている場合、その記録は無受診期間を考える重要な情報になります。
現在になって「その間は問題がなかった」と説明するのであれば、記録との関係を確認する必要があります。
ただし、記録と記憶に違いがあれば、直ちに嘘と決めつけるわけではありません。
いつの症状について話したのか、病院側にどう伝わったのか、別の傷病の話ではないかなどを確認します。
不一致を放置したまま、社会的治癒に都合のよい説明だけを採用することはできません。
主治医に対して、社会的治癒が認められる内容へ書き換えるよう求めることも不適切です。
実際に起きたことを補足する場合と、希望する初診日に合わせて経過を作る場合は異なります。
医師の医学的な評価を尊重し、正確な情報を提供する必要があります。
最初から社会的治癒を依頼することはゴールを先に決めることです
有利な年金や遡及を先に置くと確認の順序が逆になります
社会的治癒を希望する理由として、最初の受診が国民年金の期間だった、保険料に未納があった、後の受診日を使うと希望する請求に近づくといった事情が関係する場合があります。
しかし、どの制度や金額が有利かを先に考えても、社会的治癒の事実は生まれません。
先に必要なのは、傷病と医療の経過を確認することです。
その結果として初診日の取扱いを検討し、その日を基準として年金加入記録や納付状況を確認します。
「厚生年金で請求したいので、その前に治った期間が必要だ」という順序で事実を組み立てることはできません。
遡及についても同じです。初診日の取扱いが変われば障害認定日も変わることがありますが、その日に障害等級に該当するか、必要な診断書を作れるかは別に確認します。
社会的治癒が認められれば、希望する期間の年金まで当然に受け取れるわけではありません。
不利な事実が伏せられると真実の確認が難しくなります
結論を先に決めてしまうと、本人も気づかないうちに、主張に合う事情だけを選んで話すおそれがあります。
意図的に、途中の受診、処方、欠勤、家族の援助などを伏せられれば、確認はさらに難しくなります。
事実を隠された状態では、社労士は適切な判断をすることができません。
当事務所が警戒するのは、社会的治癒という言葉を知っていること自体ではなく、あらかじめ決めた結論に話が合わせられていくことです。
そうなると、本当に当時の状態を説明しているのか、希望する請求に合う説明を作っているのかが見えにくくなります。
もちろん、社会的治癒を希望した人すべてが隠し事をしているという意味ではありません。
しかし、事実確認より結論を優先する依頼のあり方は、当事務所の仕事と相いれません。
そのため、最初から社会的治癒を指定するご依頼は受任しないという方針にしています。
記憶が曖昧なことと隠すことは違います
古い受診歴や生活の状況を、すべて正確に覚えているとは限りません。
通院日が分からない、薬の名前を覚えていない、いつから症状があったか曖昧ということはあります。
その場合は、分からない部分をそのまま伝え、資料を調べます。
一方、覚えている受診を「書くと不利だから」と伝えないことや、処方があった事実を「飲んでいないから関係ない」と省くことは、記憶の問題とは異なります。
資料を確認する前に、依頼者が情報の採否を決めてしまうべきではありません。
相談では、有利か不利かを自分で選別せず、分かっている事実を伝えてください。
医療の内容や年金制度との関係は、その後に検討します。記憶が不確かな部分を明らかにすることも、正確な請求を進めるうえで必要な協力です。
社会的治癒が妥当なら当事務所から提案します
詳しい経過を確認した後に検討するものです
当事務所では、受診歴、治療の終了理由、その後の生活、再受診までの経過などを詳しく確認します。
その結果、社会的治癒の検討が妥当と判断できる場合には、社労士である私から提案します。
依頼者に先に結論を指定していただく必要はありません。
提案する際も、認められることを保証するわけではありません。
根拠となる資料、なお確認すべき点、認められなかった場合の影響を整理し、本人に理解していただく必要があります。
社労士が提案したことと、審査で認定されたことは別です。
また、検討の結果、社会的治癒を主張する根拠が足りないと判断する場合もあります。
その説明を受け止めず、主張だけを続けることを求められても、適切な支援はできません。
専門家に依頼することは、希望する結論を買うことではありません。
最初の受診歴を確認する作業を省きません
社会的治癒の可能性を検討する場合も、以前の初診日や傷病の経過を確認することは重要です。
後の受診日だけの証明を整えて、前の病歴を置き去りにするものではありません。
前後の状態を比べるためにも、以前の医療情報を調べる必要があります。
社会的治癒が認められなかった場合、元の初診日を基準とした要件の確認が問題になることがあります。
元の制度ではどのような請求を検討できるか、必要な資料があるかなども整理します。
ただし、元の初診日なら必ず受給できるという意味ではありません。
当事務所の既存の受給事例にも、ご本人が社会的治癒を指定していたのではなく、受任後の詳しい確認から当事務所が検討を提案した例があります。
そのような検討と、最初から社会的治癒を実現するよう依頼されることは異なります。
過去の事例を、指定依頼を受ける約束と受け取らないでください。
関連リンク:当事務所「躁うつ病で障害厚生年金2級(遡及)を受給した事例」
社会的治癒を主張しても障害年金の要件確認は別に必要です
初診日が認められることと年金が支給されることは別です
社会的治癒を経た後の受診日が初診日として認められたとしても、その日に基づく加入制度や保険料納付要件の確認が必要です。
さらに、障害認定日や請求時点の障害状態が、該当する等級に達しているかも確認しなければなりません。
「初診日さえ動けば受給できる」という理解では、請求全体の問題を見落とします。
診断書の対象時期が変わる、当時の医学的な資料がない、必要な障害の程度に達していないなど、別の問題が残ることもあります。
社会的治癒は、ほかの受給要件を不要にするものではありません。
また、元の初診日の制度で受給できる可能性がある場合にも、社会的治癒の主張を当然の優先事項とするべきではありません。
事実、資料、必要な作業、請求時期への影響などを踏まえて検討します。
金額だけを見て方針を決めないことが大切です。
認められなかった場合の影響を軽く考えないでください
社会的治癒を前提に後の受診日で請求しても、その主張が認められなければ、想定した制度や要件で扱われない可能性があります。
初診日の証明や納付要件などの問題が残り、予定していた受給が実現しないこともあります。
そのため、認められることだけを前提に資料を用意したり、結果を見込んで家計の予定を組んだりすることは適切ではありません。
社労士が文章を詳しく書けば必ず認められるというものでもありません。
判断の根拠は、実際の経過と、それを裏付ける情報です。
ただし、主張が認められなかったことだけで、直ちに不正請求や永久に請求できない状態になるという意味ではありません。事実に基づく主張が認められない場合と、受診歴等を意図的に偽る場合は別です。認定の難しさを、根拠のない脅しで説明することもしません。
参考リンク:日本年金機構「障害厚生年金の受給要件・請求時期・年金額」
社会的治癒とお断りの方針についてよくある質問
主治医が社会的治癒と言えば必ず認められますか
主治医の見解は、医学的な経過や医療の必要性を考える重要な情報です。
しかし、その言葉だけで年金制度上の社会的治癒が確定するわけではありません。
どの時期について、どの資料や診療に基づく見解なのかを確認する必要があります。
社労士が「主治医が言っているので確実です」と約束することもできません。
医師の説明を参考にすることと、社会的治癒を指定して当事務所へ依頼することは別です。
医師の言葉を受任条件の根拠として提示されても、当事務所の方針は変わりません。
通院や薬が少しでもあれば検討は一切できませんか
受診や処方がある場合、その目的と内容を確認します。
症状を抑える治療だったのか、予防的な医療や経過確認だったのかなどにより、検討すべき事情が異なります。
すべてを本人の判断で「予防目的だった」と分類してよいわけではありません。
通院がないだけで社会的治癒と決まらないのと同様、受診という事実だけを切り取って個別の判断を終えることもできません。
必要なのは診療上の評価と経過全体の確認です。
薬を少なく伝えたり、別の診療科の処方を隠したりしないでください。
ほかの社労士から可能と言われても断られますか
ほかの事務所の説明について、前提や資料を確認せず、その適否を断定することはしません。
ただし、ほかで可能性を示されたことが、当事務所に社会的治癒を前提とした受任を求める理由にはなりません。
「ほかではできると言われたので、そちらも社会的治癒で」という依頼はお断りします。
複数の回答を比べ、希望する結論だけを選んでも、過去の症状や医療の経過は変わりません。
当事務所は、依頼者が先に決めたゴールに合わせて、専門家としての検討内容を変えることはありません。
社会的治癒を指定して断られたら年金を請求できませんか
当事務所が依頼を受けないことと、ご本人に制度上どのような請求が成り立つかは別です。
受任方針に合わずお断りしたことだけで、障害年金を請求する権利がなくなるわけではありません。
自分で手続きを進めることも制度上可能です。
ただし、どの窓口で検討する場合にも、希望する初診日を自由に選べないという基本は同じです。
受給への不安があるなら、まず受診歴と生活の経過、現在の病状を整理してください。
「社会的治癒にしてもらう方法」を探すことが、必要な事実確認の代わりにはなりません。
さいごに
当事務所は、最初のお問い合わせの段階から「社会的治癒で」と指定されるご依頼を一切お受けしません。
社会的治癒は本人がゴールとして決めるものではなく、医療と生活の経過を確認した後に、その取扱いが妥当かを検討するものだからです。
ただ働いていたことや、通院していなかったことだけでは足りません。
症状を我慢して受診しなかった期間や、自己判断で治療を中断していた期間を、それだけで治癒と扱うこともできません。
通常の社会生活を送れていた実態と、医療の必要性がなかったと判断できる根拠を、経過に沿って確認する必要があります。
社会的治癒が妥当であれば、当事務所から提案します。
依頼者にお願いしたいのは結論の指定ではなく、分かっている事実を隠さず伝え、確認に協力していただくことです。
有利な結果から過去を組み立てるのではなく、真実と制度から請求を考えることが、当事務所の変わらない方針です。

