障害年金の支給日について徹底解説【初回支給日・時間】

銀行

障害年金を受け取る方にとって、「年金がいつ支払われるのか」を把握しておくことは重要です。

「障害年金の支給は決まったけれど、いつ頃支給されるのかよくわからない…」と不安に感じている方も多いでしょう。

そこで今回は、障害年金の初回支給日や金額、また2回目以降の支給などについて解説していきます。

支給日に関するルールをしっかり確認しておきましょう。

障害年金の初回支給日はいつ?

まずは、障害年金の初回支給日について説明していきます。

初回支給日を確認する方法は、「年金証書で確認する方法」と「年金支払通知書で確認する方法」の2つがあります。

年金証書で確認できる

一つめが年金証書で確認する方法です。年金証書は、年金を請求してからおおむね90日後に届きます。

年金証書の中の、水色の枠に囲まれた部分の左下に日付が入っています。この日付は「裁定日」と呼ばれ、年金機構があなたへの障害年金の支給を決定した日を意味するものです。

そして裁定日の日付から、以下のように初回の支給日を推測できます(初回支給日が具体的な日付で書かれているわけではありません)。

  • 裁定日が月の前半だった場合…初回の支給日は「翌月15日」
  • 裁定日が月の後半だった場合…初回の支給日は「翌々月の15日」
    ※15日が土日祝の場合は、15日の直前の平日が支給日。

ただし、上記はあくまで「目安の支給日」です。

年金事務所の手続き状況や、ほかの年金との支給調整などが入る場合には予定から遅れることもあるので注意しましょう。

年金支払通知書も届くので安心

二つめが年金支払通知書で確認する方法です。

初回支給日の直前には「年金支払通知書」が届き、そこには初回支給日と入金額が具体的に記載されています。

ただし、年金支払通知書は支給日の5日ほど前にならないと届きません。

事前に支給日を把握しておきたい場合は、上述した年金証書を使った方法で目安の支給日を確認しておくとよいでしょう。

初回の支給日以降は年金額が変更にならない限り、年金支払通知書は毎年6月頃に届きます。

初回支給分の金額について

続いて、障害年金の初回支給分の金額について説明していきます。

年金の請求には「障害認定日請求」「事後重症請求」「遡及請求」の3つの方法があり、それぞれの請求方法によって計算方法が異なります。一つずつ確認していきましょう。

障害認定日請求の場合

まずは障害認定日請求を行ったケースからみていきましょう。

「障害認定日」とは、初めて医療機関を受診した日(初診日)から、原則として1年6か月を経過した日のことです。

その時点で障害年金の申請要件を満たしていれば年金申請が可能です(例外として、20歳より前の障害の場合は、20歳の誕生日の前日が障害認定日になります)。

認定日請求を行った場合は、「障害認定日の翌月分からの金額」が一括で支給されます。

障害認定の請求から振り込まれるまでの流れについて、一例で確認してみましょう。

STEP.1
障害認定日が2019年10月5日。認定日請求を行う
STEP.2
認定日翌月の2019年11月分からの障害年金が支給される(年金証書の「支払開始年月」欄に記載あり)
STEP.3
2020年2月下旬に年金証書が届いた。支給日は2020年4月15日
STEP.4
支給日に2019年11月分〜2020年3月分の5か月分が一括で振り込まれる(振り込み月の前月分まで)

事後重症請求の場合

続いて事後重症請求を行うケースです。

事後重症請求とは、先ほど説明した「障害認定日」時点では障害等級に該当しなかったが、その後症状が悪化して障害年金を請求する場合のことです。

事後重症請求では、「障害年金を請求した翌月分からの金額」が一括で支給されます。

こちらも請求から振り込まれるまでの一例を挙げてみます。

STEP.1
障害認定日が2019年10月5日。ただしこの時点では認定日請求をせず、6か月後の2020年4月10日に事後重症請求を行う
STEP.2
事後重症請求した翌月の2020年5月分から支給される
STEP.3
2020年8月下旬に年金証書が届いた。支給日は2020年10月15日
STEP.4
支給日に2020年5月分〜9月分の5か月分が一括で振り込まれる

遡及請求の場合

三つめが遡及請求を行うケースです。

遡及請求とは、初診日から1年6か月経過した日である障害認定日からさらに1年以上経過したあとで、障害認定日に遡って年金請求することをいいます。

障害認定日時点ではなんらかの理由で請求しなかった場合に利用される方法です。

遡及請求を行った場合は、一つめの障害認定日請求と同様に「障害認定日の翌月分からの金額」が一括で支給されます。

こちらも請求から振り込まれるまでの一例を確認してみましょう。

STEP.1
障害認定日が2018年5月10日。その2年後の2020年6月5日に遡及請求を行う
STEP.2
認定日翌月の2018年6月分からの障害年金が支給される
STEP.3
2020年10月下旬に年金証書が届いた。支給日は2020年12月15日
STEP.4
支給日に2018年6月分〜2020年11月分の18か月分が一括で振り込まれる

上記のように遡って請求が可能ですが、遡及請求日が障害認定日から5年以上経過している場合、5年分よりも前の障害年金については時効にかかってしまい支払われません。

2回目以降の支給日は偶数月の15日

障害年金の2回目以降の支給日については、原則として「偶数月の15日」に支払われます。毎月振り込まれるわけではないので注意しましょう。

支給日に支払われる金額は「前々月分+前月分」です。

2020年の支給日と支給対象月を一覧にすると以下のとおりです。

【2020年(令和2年)の支給日と支給対象月】

  • 2020年2月14日(金)支給…2019年12月分+2020年1月分
  • 2020年4月15日(水)支給…2020年2月分+3月分
  • 2020年6月15日(月)支給…2020年4月分+5月分
  • 2020年8月14日(金)支給…2020年6月分+7月分
  • 2020年10月15日(木)支給…2020年8月分+9月分
  • 2020年12月15日(火)支給…2020年10月分+11月分

2021年以降の支給日予定日は以下となります。

【2021年(令和3年)の支給日】

  • 2021年2月15日(月)
  • 2021年4月15日(木)
  • 2021年6月15日(火)
  • 2021年8月13日(金)
  • 2021年10月15日(金)
  • 2021年12月15日(水)

【2022年(令和4年)の支給日】

  • 2022年2月15日(火)
  • 2022年4月15日(金)
  • 2022年6月15日(水)
  • 2022年8月15日(月)
  • 2022年10月14日(金)
  • 2022年12月15日(木)

※祝日に変更があれば変わる可能性あり

基本的には上記のとおり「偶数月の15日」に支給されますが、初回受け取りの場合は奇数月に支給される場合もあります。

土日を挟んだ場合

支給予定日が土日を挟んでいる場合、「振り込みは金融機関の翌営業日になるのでは…」と不安を感じてしまうかもしれません。

ただし、支給予定日の15日が土日祝の場合は「15日の直前の平日」が支給日となりますのでご安心ください。

たとえば、2020年2月15日は土曜日のため、直前の平日である2月14日(金)に支給されています。

口座に振り込まれる時間

「その日の何時頃に入金されるのか…」と気になる方もいるでしょう。しかし、年金が口座に振り込まれる時間に決まりはありません。

実際には支給日の午前中に振り込まれるケースが多いですが、「午前中に振り込む」といったルールは決められていないため、午後の振り込みになる可能性も十分にあります。

振り込まれる時間は、お使いの金融機関によっても変わる部分です。最低限、支給当日分の生活費は残しておきましょう。

さいごに

今回は障害年金の支給日と、支給される金額について解説しました。

障害年金の請求をしても、すぐに振り込まれるわけではありません。

年金支給が決定されてはじめて受け取りができるまでには時間がかかりますので、初回支給日までの生活費もしっかり準備しておく必要がありますね。

2回目以降の支給も「2か月ごと」になるため、こちらも計画的に使っていくことを心がけましょう。