【自分で申請できる!】障害年金6つのチェック項目

チェックリスト

障害年金の申請をしようと考えたときに、ご自分で申請準備を進めるか、専門の社労士に申請の代行を依頼するか迷う方も多いと思います。

ご自分で申請ができる場合には、わざわざお金をかけてまで社労士に代行を依頼する必要はありません。

しかし、「初診日がどうしても証明できない場合」や「医師が診断書を書いてくれない場合」などは、ご自分で申請準備を進められない場合も出てきます。

そこで今回は、ご自分で障害年金の申請をしても大丈夫かどうかを見極めるためのチェックリストと、社労士に依頼した方がいいケースなどについてまとめました。

障害年金の申請を進める前に、まずはチェック項目を確認してみることをおすすめいたします。

【障害年金】ご自身でできるかチェックリスト

以下の項目にほとんどチェックがつく場合には、ご自身で障害年金の申請準備を進めても大丈夫です。

このチェックリストを使うことにより、障害年金申請のために必要なことが整理でき、障害年金申請で後悔することがなくなります。

ご自身の今の状況について

自分(もしくは家族)が障害年金の申請準備に多くの時間と労力をかける余裕がある
障害年金の申請準備には早くても数か月かかり、ご自分でやる場合には何度も年金事務所や市区町村役場に通う必要があります。

現在の障害の病名がはっきりしている
長く通院している場合でも、主治医からはっきりと病名を伝えられないことがあります。

また、精神障害だと、1番目の病院では不安神経症で2番目の病院では自律神経失調症、現在は病名を言われていないというようなケースもあります。

初診日について

障害年金でいう初診日とは、「診断名がついた病院に初めて行った日」ではないことが理解できる
障害年金の初診日は、「その障害の症状が出て初めて行った病院の初診日」になりますので、

決して診断名がついた病院になるとは限りません。

場合によっては、まったく別の病名を診断された病院に初めて行った日が初診日になることもあります。

初診日に受診した病院名を覚えている
初診日がかなり前にあり、病院名も受診した日付も覚えていないということは多いです。

まずは病院がわからないと初診日の証明もできません。

初診日に受診した病院に、当時のカルテがまだ保管されている
初診日の証明書である受診状況等証明書を取得する場合には、カルテが保管されていないと作成していただくことができません。

初診日をしっかりと覚えている
初診日に受診した病院は覚えているが、当時のカルテはすでに破棄されていたというような場合、別の方法で初診日を証明していくこととなります。

その際、せめてご自分では「いつ、どこの病院に行ったか」を覚えていることが前提です。

初診日の前日において保険料納付要件を満たしている
初診日の前日において保険料納付要件を満たしていない(未納や滞納が多くある)場合には、障害年金を受給することができません。

初診日となりそうな日が複数あっても、根拠を持ってどの初診日を主張するのが妥当なのかがわかる
ずっと前に病院を受診していて、その後は治療もせず普通に社会生活を送ることができていたような場合には、再発して病院を初めて病院を受診した日を初診日として主張できる場合があります。

そのような場合には、しっかりと根拠や証拠を元に主張しなければなりません。

障害認定日や遡求について

初診日から1年6か月経過している場合、遡及請求できる日付(障害認定日)がわかる
本来は初診日から1年6か月経過した日が障害認定日になりますが、障害によっては障害認定日の特例があり、初診日から1年6か月経たずに障害認定日請求することが可能です。

障害認定日において、障害年金を受給できる障害の程度であるかどうかを自分で判断できる
障害認定日請求をする場合には、ただ診断書を提出すればいいというものではありません。

あくまでも障害認定日に障害年金で定めている基準に該当していることが重要になります。

障害認定日において通院していた病院に、当時のカルテがまだ保管されている
障害認定日請求をするために診断書を取得しますが、原則として診断書はカルテに基づいて記載してもらいます。

すでにカルテが破棄されていたり病院が廃院している場合、診断書を作成していただくことができません。

現在は障害認定日に通院していた病院から転院している場合、障害認定日の診断書作成を依頼する望ましい方法が自分でわかる
現在通院中の病院で診断書の作成依頼をする場合は、現在の本人を常に診察してくださっているので診断書を依頼しやすいです。

しかし、何年も前に通院しなくなった病院に過去の診断書を依頼する場合には、診断書の作成そのものを断られることもあります。

遡及請求する場合、障害認定日から現在までに症状が軽くなったり、働けていたりする期間はない
障害認定日での遡及請求をする場合、障害認定日から現在までの症状の変化や就労状況も審査の時に見るポイントとなります。

そのため、障害認定日から現在までに普通に働けているような場合には注意が必要です。

現在の障害状態について

現在の状態は、障害年金を受給できる障害の程度であるかどうかを自分で判断できる
単に病名がついただけでは障害年金は受給できませんので、

現在の症状が障害年金で定めている基準に該当していることが重要になります。

診断書や病院対応について

受診状況等証明書や診断書の作成を病院に依頼する際、病院側が理解を示さなくても自分で説明したり主張したりすることができる
病院の中では、障害年金の受診状況等証明書や診断書を書いたことがないという病院もあります。

書類の作成そのものを断られることもありますし、書き方について質問されることもあります。

また不備があった場合には修正依頼をしなければならず、病院とのやり取りはとてもストレスになります。

診断書を見て不備があるかどうか理解でき、不備があった場合には自分で病院側に伝えることができる
障害年金では、診断書を読み解くことが重要です。出来上がった診断書を見て、不備がないかどうか、障害の状態は正しく反映されているかどうかを見極めなければなりません。

また、修正依頼する場合には「なぜ修正が必要なのか」「どこをどう修正するのか」を理路整然と病院側に説明する必要があります。

出来上がった診断書を見て、障害年金が受給できる内容であるか、受給できるとするならば何級相当になるのかが理解できる
診断書の内容が障害年金で定めている障害年金の基準に該当していなければ、診断書を提出する意味がありません。

また、基準に該当しているならば何級相当なのかが把握できると安心です。

病歴・就労状況等申立書の作成について

病歴・就労状況等申立書

病歴・就労状況等申立書の基本的な書き方がわかる
病歴・就労状況等申立書の書き方にはルールがあり、そのルールに従って作成しなければなりません。
病歴・就労状況等申立書に書いたほうがよい内容、書かなくてよい内容がわかる
病歴・就労状況等申立書に、今困っていることやつらい気持ちなどをたくさん書いてしまう方がいらっしゃいますが、あくまでも障害年金申請のために審査で見る内容をしっかりと書く必要があります。
また、書くべき内容を読みやすく簡潔に、わかりやすい文章で書くとよいでしょう。
受診状況等証明書と診断書と病歴・就労状況等申立書の整合性を取ることができる
発症の時期やきっかけ、症状の変化等、診断書に書かれていることと病歴・就労状況等申立書の内容が食い違っているものをよく見かけます。
受診状況等証明書と診断書と病歴・就労状況等申立書は整合性を取りつつ、受診状況等証明書や診断書に書いてあることに相違がある場合にはそれを病歴・就労状況等申立書で補完するようにしてください。
診断書の内容が薄い場合に、それを病歴・就労状況等申立書で補う方法がわかる
残念ながら診断書には正しい障害の状態が書かれず、実際よりも軽い状態で作成されてしまうこともあります。
その場合には病歴・就労状況等申立書で補うことにより正当な等級で障害年金を受給できることがあります。
そのくらい病歴・就労状況等申立書は重要な書類なのです。

障害年金の申請を社労士に依頼した方がいいケース

障害年金は上記のチェックリストに該当すれば、ご自分でも申請ができるものの、社労士に依頼した方がいいケースもあります。

障害年金の申請を社労士に依頼した方がいいケースとしては、以下のようなケースが挙げられます。

  • 初診日の証明が難しい場合
  • 障害年金の申請を急ぐ場合
  • 精神疾患などで療養に専念した方がいい場合
  • 難易度の高い請求の場合

上記のようなケースの場合、ご自分で申請すると申請までの時間が非常にかかったり、書類不備になり不支給になったりする恐れがあります。

そのため、上記のケースに該当する場合は、早めに社労士といった専門家に相談することをおすすめします。

障害年金の申請を社労士に依頼するメリット

障害年金の申請をご自分でするか、社労士に依頼するかで迷われている方もまだ多いと思います。

そこで最後に、障害年金の申請を社労士に依頼するとどのようなメリットがあるのかについて解説します。

手間を大幅に削減できる

障害年金の申請は書類審査のため、提出を求められる書類が多いです。

主なもので以下の書類の提出が必要です。

  • 受診状況等証明書(初診日を証明する書類)
  • 診断書(障害状態を証明する書類)
  • 病歴・就労状況等申立書(発症から現在までの病状の変化や就労状況を伝える書類)

さらに、手続きの準備だけでなく、相談や書類の作成、不備の修正などで人によっては年金事務所や医療機関に何度も足を運ばなければなりません。

しかし、社労士に依頼することで、書類の収集や作成など、面倒な手続きを任せられるため、申請者は安心して療養に専念することができます。

受給までの時間が早い

障害年金の請求はご自分で請求する場合、書類の準備や記入などがとても煩雑なため、受給開始までに時間がかかるケースも少なくありません。

例えば、書類をしっかり記入したつもりでも、年金事務所で書類の不備を指摘され、修正、訂正の繰り返しにより、3ヶ月ほど本来の受給開始が遅れてしまう可能性もあります。

遡求請求できる場合であれば、さかのぼって障害年金を受給できますが、事後重症請求の場合、申請完了月(請求月)の翌月から支給開始となります。

つまり、事後重症請求の場合、申請が遅くなればなるほど、もらえたはずの期間の障害年金が受給できず、金銭的なロスになってしまいます。

しかし、障害年金を専門に扱う社労士の場合、障害年金の申請に慣れているため、ご依頼から申請完了までに要する期間を大幅に短縮することが可能です。

不支給の可能性を最小限にできる

障害年金の申請は手続きが複雑で、申請に必要な書類も多いです。

そのため、正確な知識がないと、本来もらえる等級より低い等級で認定されてしまったり、最悪の場合は不支給となってしまう可能性もあります。

ご自分で請求して万一、不支給などになった場合は「審査請求」や「再審査請求」といった不服申し立てを行うことができますが、一度下された判定は覆すことがとても難しいです。

しかし、障害年金に精通した社労士に依頼することにより、不支給や本来の等級よりも低い等級で認定されるといったリスクを最小限に抑えることが可能です。

さいごに

障害年金は書類審査のため、「受給できる」「上位等級で受給できる」「遡及ができれば遡及を勝ち取る」という書類をいかに作成できるかが重要です。

障害年金はご自分でも請求ができるものの、申請が複雑なため、正確な知識がないと、等級が低く認定されたり、不支給となってしまう可能性があります。

審査結果に納得ができない場合、不服申し立てを行うことができますが、一般的に一度下された判定を覆すことはとても難しいです。

障害年金の申請がご自身で不安な場合は、早めに社労士といった専門家に相談することをおすすめします。