障害年金の対象外になるのはどんな人?対象となる病気・ならないケースを社労士が解説

「自分の病気は障害年金の対象外なのでは?」
「仕事をしていると障害年金は対象外?」
「障害者手帳を持っていないと申請できない?」
「症状が重くても、年金保険料を払っていなければ対象外になる?」

障害年金について調べていると、「対象になる」「対象外になる」という言葉を目にすることがあります。

しかし、障害年金の「対象外」には、いくつか異なる意味があります。

たとえば、

・病気そのものが障害年金の認定対象にならない
・障害の程度が障害等級に該当しない
・保険料納付要件を満たしていない
・初診日に関する要件を満たしていない
・請求できる時期や年齢について要件を満たしていない

などです。

つまり、「障害年金を受給できない」という結果は同じでも、その理由はひとつではありません。

また、

「働いているから対象外」
「障害者手帳を持っていないから対象外」
「病名が珍しいから対象外」
「収入があるから対象外」

と思っている方もいますが、必ずしもそうではありません。

障害年金では非常に多くの病気やけがが対象となります。

大切なのは病名だけではなく、その病気やけがによって生活や仕事がどの程度制限されているか、そして初診日や保険料納付などの制度上の要件を満たしているかということです。

この記事では、障害年金を専門とする社会保険労務士が、「障害年金の対象外になるのはどのような場合なのか」を詳しく解説します。

目次

障害年金は非常に多くの病気やけがが対象になる

まず知っておきたいのは、障害年金の対象となる病気やけがは非常に幅広いということです。

「障害年金」という名前から、

「身体障害がある人だけの制度」
「車いすを使用しているような重度の障害でなければ受給できない」

と思っている方もいます。

しかし、そうではありません。

障害年金では、手足などの身体障害だけではなく、精神疾患や発達障害、心臓・腎臓などの内部疾患、がんなども対象になります。

障害年金の対象となる病気やけがの例

たとえば、次のような病気や障害があります。

・うつ病
・双極性障害
・統合失調症
・発達障害
・知的障害
・てんかん
・脳梗塞、脳出血
・パーキンソン病
・多発性硬化症
・脊髄損傷
・関節リウマチ
・人工関節
・視覚障害
・聴覚障害
・心疾患
・腎疾患
・肝疾患
・糖尿病
・血液疾患
・がん
・HIV感染症

などです。

このほかにも、障害年金の対象となる病気やけがは多数あります。

したがって、

「聞いたことのない病気だから障害年金の対象外」

ということではありません。

病名だけで判断せず、その病気によって生じている障害について障害認定基準に照らして考える必要があります

「病気であること」と「障害年金の対象になること」は違う

ここは障害年金を考えるうえで、とても重要なポイントです。

障害年金は病気になったことに対して支給される制度ではありません

病気やけがによって一定以上の障害状態になり、日常生活や仕事が制限されている場合に支給される制度です。

そのため、障害年金の対象となる病気と診断されているからといって、必ず障害年金を受給できるわけではありません

病名だけでは障害年金は決まらない

たとえば、同じ「うつ病」と診断されている2人がいたとしても、生活状況は同じとは限りません。

一人は治療を受けながらフルタイムで勤務し、家事や外出なども一人で行えている。

もう一人は強いうつ症状のためほとんど外出できず、食事や服薬管理にも家族の援助を受けている。

同じ病名であっても、障害状態は大きく異なります。

身体疾患でも同じです。

脳梗塞を発症しても、リハビリによってほとんど後遺症が残らない方もいれば、重い片麻痺が残り、歩行や着替えなどに介助が必要となる方もいます。

障害年金では、「何の病気か」だけではなく、「その病気によってどの程度の障害が残っているのか」が重要になります。

障害年金の対象外となる可能性があるケース

それでは、どのような場合に障害年金の対象外となるのでしょうか。

大きく分けると、

・障害状態が障害等級に該当しない
・保険料納付要件を満たしていない
・初診日に関する要件を満たさない
・一部の精神疾患に該当する
・事後重症請求の期限を過ぎている

などがあります。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

障害状態が障害等級に該当しない

最も基本的なのが、障害の程度が障害年金の障害等級に該当しない場合です。

障害年金には、

・1級
・2級
・3級

があります。

ただし、3級があるのは障害厚生年金だけです。

障害基礎年金には1級と2級しかありません。

そのため、同程度の障害であっても、初診日にどの年金制度に加入していたのかによって受給できるかどうかが変わる場合があります。

たとえば、障害状態が3級相当の場合、初診日に厚生年金に加入していれば障害厚生年金3級の対象となる可能性があります。

一方、初診日に国民年金に加入していた場合には、障害基礎年金には3級がないため、同じ障害状態でも障害年金は支給されません。

「病気が対象外」というより、「現在の障害状態が受給できる等級に達していない」ということです。

保険料納付要件を満たしていない

障害年金には保険料納付要件があります。

原則として、初診日の前日において、初診日のある月の前々月までの被保険者期間のうち、保険料納付済期間と免除期間を合わせた期間が3分の2以上必要です。

また、現在は特例として、一定の条件のもと、初診日のある月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がなければ要件を満たす場合があります。

障害状態がどれほど重くても、この保険料納付要件を満たさなければ、原則として障害年金を受給することはできません

ここは非常に厳しいところです。

「今から未納分を払えば大丈夫ですか?」

と考える方もいますが、保険料納付要件は原則として「初診日の前日」の時点で判定します。

病気になった後、障害年金を申請するためにさかのぼって保険料を納付しても、納付要件の判定に反映できない場合があります。

なお、20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある障害基礎年金では、保険料納付要件はありません

初診日について要件を満たさない

障害年金では「初診日」が非常に重要です。

初診日とは、障害の原因となった病気やけがについて、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日です。

この初診日によって、

・障害基礎年金になるのか
・障害厚生年金になるのか
・保険料納付要件を満たしているのか

などが決まります。

そのため、どれほど現在の障害状態が重くても、制度上必要となる初診日に関する要件を満たさなければ、障害年金を受給できないことがあります。

また、初診日がかなり昔の場合には、当時の病院が閉院していたり、カルテが廃棄されていたりして、初診日の証明が問題となることがあります。

ただし、

「最初の病院のカルテがない=必ず障害年金の対象外」

ということでもありません。

初診日を確認する方法は受診状況等証明書だけではないため、当時の状況によっては別の資料などから初診日を申し立てられる可能性があります。

障害年金の対象外となる精神疾患がある

障害年金では非常に多くの精神疾患が認定対象になります。

しかし、精神疾患の中には、原則として障害年金の認定対象とならないものがあります。

代表的なのが「人格障害」と「神経症」です。

人格障害は原則として認定対象にならない

障害年金の障害認定基準では、人格障害について、

原則として認定の対象とならない

とされています。

パーソナリティ障害などがこれに当たります。

ただし、別の認定対象となる精神疾患を併発している場合には、その精神疾患の状態によって障害年金の対象となる可能性があります。

そのため、診断書にパーソナリティ障害という病名があるだけで、「絶対に障害年金を申請できない」と単純に判断することはできません。

神経症も原則として認定対象にならない

神経症についても、原則として障害年金の認定対象にはなりません

たとえば、

・不安障害
・パニック障害
・強迫性障害
・適応障害
・PTSD
・解離性障害

などが問題となることがあります。

ただし、ここにも例外があります。

障害認定基準では、神経症であっても、その臨床症状から判断して精神病の病態を示しているものについては、統合失調症または気分(感情)障害に準じて取り扱うとされています。

そのため、

「適応障害だから絶対に障害年金を受給できない」
「強迫性障害という病名だから申請しても無駄」

と病名だけで判断することは適切ではありません。

現在の病態や診断内容を確認する必要があります。

働いている人は障害年金の対象外?

「障害年金 対象外」と検索する方の中には、

「働いているから対象外なのでは?」

と心配している方も多いと思います。

しかし、仕事をしているという理由だけで障害年金の対象外になるわけではありません。

障害年金には、

「働いていたら申請できない」

という一律の規定はありません。

就労状況の見方は障害の種類によって異なる

ただし、仕事をしていることが障害状態を判断する材料になることはあります。

特に精神疾患では、

・一般雇用か障害者雇用か
・週何日働いているか
・勤務時間
・仕事内容
・職場での援助や配慮
・欠勤、早退、遅刻の状況
・職場でのコミュニケーション

なども確認されます。

一方、人工関節や視覚障害、聴覚障害など、検査結果や身体機能について具体的な認定基準が設けられている障害では、就労しているという事実だけで対象外になるわけではありません。

つまり、

「仕事をしているか、していないか」

だけで判断することはできません。

どのような障害があり、どのような状態で働いているのかを見る必要があります。

収入がある人は障害年金の対象外?

「収入があると障害年金を受給できない」

と思っている方もいます。

これも原則として誤解です。

通常の障害基礎年金や障害厚生年金については、一定以上の収入があるという理由だけで障害年金の対象外になる制度ではありません。

たとえば、障害厚生年金3級を受給しながら仕事をして給与を得ている方もいます。

20歳前傷病の障害基礎年金には所得制限がある

ただし、例外があります。

20歳前に初診日があり、年金制度に加入していなかった期間の傷病によって受給する障害基礎年金には、本人の所得による支給制限があります

一定以上の所得がある場合には、年金の一部または全部が支給停止になることがあります。

これは、

「収入のある人は障害年金の対象外」

という一般的な話ではありません。

20歳前傷病による障害基礎年金に設けられている特別な支給制限です。

障害者手帳がない人は障害年金の対象外?

障害者手帳を持っていなくても、障害年金を申請することはできます。

障害者手帳と障害年金は別の制度だからです。

身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、療育手帳などを持っていることは、障害年金の必須条件ではありません。

障害者手帳の等級と障害年金の等級は別

また、

「障害者手帳が3級なので、障害年金も3級ですか?」

という質問もあります。

これも違います。

障害者手帳の等級と障害年金の等級は連動していません

たとえば精神障害者保健福祉手帳2級だからといって、障害年金2級になるとは限りません。

逆に、障害者手帳を取得していなくても、障害年金2級に認定されることがあります。

それぞれ認定基準の異なる制度なので、別々に考える必要があります。

入院していない人は障害年金の対象外?

障害年金について、

「入院するほど重症でなければ対象外」

と思っている方もいます。

しかし、入院歴は障害年金の必須条件ではありません。

一度も入院したことがなくても、障害年金の障害等級に該当することはあります。

在宅生活でも強い制限がある場合がある

特に精神疾患では、長期間入院することなく外来治療を続けながら、

・ほとんど外出できない
・家事ができない
・家族から日常的な援助を受けている
・一人では通院できない
・仕事ができない

という状態になっている方もいます。

反対に、過去に入院したことがあるからといって、現在も障害年金の等級に該当するとは限りません

障害年金では、原則として障害認定日や請求時点など、認定の対象となる時点の障害状態を確認します。

「入院したことがあるか」だけで対象・対象外を決めるものではありません。

病気が治っていないと障害年金の対象外?

「障害年金は症状固定していなければ申請できない」

と思っている方もいます。

これも必ずしも正しくありません。

障害年金には「障害認定日」があり、原則として初診日から1年6か月を経過した日が障害認定日となります。

この時点で障害状態が障害等級に該当していれば、治療を継続している場合でも障害年金の対象となることがあります。

治療中でも障害年金を受給することはある

うつ病や双極性障害、統合失調症などで障害年金を受給している方の多くは、障害年金の受給後も治療を続けています。

腎疾患、心疾患、がんなどの内部疾患でも同様です。

したがって、

「治療が終わっていないから対象外」
「薬を飲み続けているから申請できない」

ということではありません。

なお、一部の障害では、初診日から1年6か月より前でも一定の状態になった日を障害認定日として取り扱う場合があります。

どの時点で請求できるのかは、障害の種類や治療内容によって異なるため確認が必要です。

軽い症状の人は障害年金の対象外?

障害年金は、病気の診断がついたこと自体に対する給付ではありません。

そのため、病気があっても日常生活や仕事への影響が軽く、障害認定基準に定める程度に達していない場合には、障害年金は支給されません

これは「その病気が対象外」ということとは意味が違います。

障害基礎年金には3級がないことに注意

特に注意したいのが障害基礎年金です。

障害厚生年金には1級・2級・3級がありますが、障害基礎年金には1級と2級しかありません。

したがって、

「ある程度の障害はあるが2級には達していない」

という場合、初診日に国民年金に加入していた方は障害年金を受給できません。

これに対して、初診日に厚生年金に加入していた方であれば、3級として障害厚生年金を受給できる可能性があります。

障害状態だけでなく、初診日に加入していた年金制度も非常に重要です。

65歳を過ぎたら障害年金はすべて対象外?

「65歳を過ぎたら障害年金は申請できない」

という説明を見かけることがあります。

しかし、これも一律ではありません。

どのような請求をするのかによって異なります。

事後重症請求には65歳の期限がある

障害認定日には障害等級に該当していなかったものの、その後症状が悪化して障害等級に該当するようになった場合には、「事後重症」による請求があります。

事後重症請求については、65歳に達する日の前日までに障害等級に該当し、請求する必要があります

そのため、

「症状が重くなったらいつでも請求すればよい」

というわけではありません。

65歳が近い方の場合には特に注意が必要です。

一方、障害認定日の時点ですでに障害等級に該当していた場合の認定日請求などについては、単純に「65歳を過ぎたからすべて対象外」と判断することはできません。

年齢だけで自己判断せず、初診日、障害認定日、その時点の障害状態などを確認する必要があります。

老齢年金を繰上げ受給すると障害年金を請求できないことがある

60歳以降に老齢年金を繰上げて受給することを検討している方は、障害年金との関係にも注意が必要です。

老齢基礎年金・老齢厚生年金を繰上げ請求すると、その後、事後重症などによる障害基礎年金・障害厚生年金を請求できなくなる場合があります。

持病がある人は老齢年金の繰上げ前に確認を

老齢年金の繰上げ請求は、一度行うと取り消すことができません。

そのため、60歳から65歳までの間に治療中の病気や持病があり、

「今後、障害状態が悪化する可能性がある」

という場合には、老齢年金を繰上げる前に障害年金の可能性を確認しておくことをおすすめします。

これは障害年金そのものの「対象外」とは少し異なりますが、手続きの選択によって後から事後重症請求ができなくなる可能性があるため注意が必要です。

「初診日を証明できない=対象外」とは限らない

障害年金の相談では、

「20年前の病院なのでカルテが残っていません」
「最初に受診したクリニックが廃院しています」

というケースがあります。

この場合、

「初診日を証明できないので障害年金は対象外です」

と考えてしまう方もいます。

しかし、最初の医療機関の受診状況等証明書が取得できないというだけで、直ちに請求できなくなるわけではありません。

別の資料から初診日を確認できる場合がある

たとえば、

・次の医療機関のカルテに前医の受診日が記載されている
・当時の診察券が残っている
・健康保険の給付記録などが確認できる
・第三者による証明が利用できる

など、個々の状況に応じて初診日を申し立てる方法を検討できる場合があります。

もちろん、どのような資料でも認められるわけではありません。

しかし、

「カルテがないから対象外」

と最初から諦める必要はありません。

特に初診日が10年、20年以上前になる障害年金では、最初の医療機関にカルテが残っていないことは珍しくありません。

診断書を書いてもらえない人は障害年金の対象外?

障害年金を申請するには、原則として医師の診断書が必要です。

そのため、主治医が障害年金の診断書を作成してくれない場合、実際の請求手続きが難しくなることがあります。

ただし、

「医師から障害年金は無理だと言われた」

というだけで、制度上の対象外であると決まったわけではありません。

医師の判断と障害年金制度上の受給要件は同じではない

医師は診断や治療の専門家です。

一方、障害年金には、

・初診日
・保険料納付要件
・障害認定日
・加入していた年金制度
・障害認定基準

など、医学以外の制度上の要件があります。

そのため、医師が、

「障害年金は難しいと思う」

と話した場合には、なぜそう判断しているのかを確認することも大切です。

現在の障害状態が軽いという医学的判断であれば、診断書を作成しても障害等級に該当しない可能性があります。

一方、単に障害年金制度について詳しくないということであれば、制度上の受給可能性については別途確認する必要があります。

「障害年金の対象外」と「不支給」は同じではない

ここも整理しておきたいところです。

「対象外」と「不支給」は、似ているようで少し意味が違います。

対象外という言葉は一般的には、

「そもそも制度の要件に当てはまらない」

という意味で使われます。

一方、不支給は、実際に障害年金を請求したものの、審査の結果、年金が支給されないと決定された場合に使われます。

不支給になった理由を確認することが重要

障害年金が不支給になった場合には、

・障害状態が等級に該当しなかった
・初診日が認められなかった
・保険料納付要件を満たしていなかった

など、理由によってその後の対応が異なります。

単に、

「不支給になった=もう障害年金の対象外」

と考えるのではなく、なぜ不支給になったのかを確認する必要があります。

障害状態が軽いことを理由に不支給となった後、病状が悪化したのであれば、事後重症請求などを検討できる場合もあります。

障害年金の対象外かどうかを自分で判断しないほうがよいケース

障害年金について調べていると、

「自分はこれに当てはまるから無理だ」

と判断してしまうことがあります。

しかし、障害年金は初診日、加入制度、保険料納付状況、病歴、現在の障害状態などを総合して確認しなければならない制度です。

一部分だけを見て判断すると、実際には申請できるケースを諦めてしまうことがあります。

特に確認したほうがよいケース

たとえば、

・最初の病院が廃院している
・初診日がかなり昔である
・診断名が途中で変わっている
・複数の病気がある
・働いている
・障害者手帳を持っていない
・精神疾患が神経症圏の病名になっている
・65歳が近い
・老齢年金の繰上げを考えている
・初診日に国民年金だったか厚生年金だったかわからない

といった場合です。

これらは、それだけで障害年金の対象外になる事情ではありません。

個別に確認する必要があります。

障害年金の「対象外」を判断するときの3つのポイント

障害年金の対象となるか確認するときには、大きく3つに分けて考えると分かりやすくなります。

1.初診日はいつなのか

最初に確認したいのが初診日です。

初診日によって加入していた年金制度や保険料納付要件が変わるため、障害年金の入口ともいえる重要なポイントです。

現在通っている病院を初めて受診した日とは限りません。

同じ病気について以前に別の医療機関を受診していれば、そちらが初診日となることがあります。

2.保険料納付要件を満たしているか

20歳前傷病など一部の場合を除き、障害年金では保険料納付要件を満たす必要があります。

これは現在の障害状態がどれほど重いかとは別の要件です。

「症状が重ければ保険料の未納があっても何とかなる」

という制度ではありません。

そのため、障害年金を検討するときには早い段階で確認しておくことが重要です。

3.障害状態が障害等級に該当するか

最後に確認するのが現在または障害認定日時点の障害状態です。

障害の種類ごとに障害認定基準があります。

精神疾患であれば日常生活能力や就労状況など、肢体の障害であれば関節可動域、筋力、日常生活動作など、内部疾患であれば検査所見や一般状態など、それぞれ見るポイントが異なります。

「仕事をしている」
「入院していない」
「障害者手帳を持っていない」

という一つの事情だけでは判断できません。

さいごに

「障害年金の対象外」と聞くと、

「自分の病気ではもらえないのではないか」

と考えてしまうかもしれません。

しかし、障害年金では非常に幅広い病気やけがが対象となります。

身体障害だけでなく、精神疾患、発達障害、神経疾患、心疾患、腎疾患、糖尿病、がんなども障害年金の対象です。

また、

「働いている」
「収入がある」
「障害者手帳を持っていない」
「入院したことがない」
「現在も治療中である」

という理由だけで、障害年金の対象外になるわけでもありません。

一方で、

・障害状態が障害等級に該当しない
・保険料納付要件を満たしていない
・事後重症請求の期限を過ぎている
・原則として認定対象にならない精神疾患である

など、障害年金を受給できないケースもあります。

特に障害年金では、「病気が対象になるか」という問題と、「その人が障害年金を受給できるか」という問題は分けて考えることが大切です。

障害年金の対象となる病気であっても、障害状態や制度上の要件によって受給できないことがあります。

反対に、

「自分は対象外だと思っていた」

という方が、詳しく確認すると障害年金を申請できることもあります。

障害年金は、

「この病名なら対象」
「働いていたら対象外」

というように、ひとつの条件だけで判断できる制度ではありません。

初診日、保険料納付状況、加入していた年金制度、障害認定日、現在の障害状態などをひとつずつ確認する必要があります。

「自分の病気は障害年金の対象になるのかわからない」
「仕事をしているので対象外だと思っている」
「初診日が古く、最初の病院のカルテが残っていない」
「障害者手帳を持っていないので申請できないと思っていた」

という場合には、自分だけで対象外と判断せず、年金事務所や障害年金を専門とする社会保険労務士などに確認することをおすすめします。

対象外だと思って申請を諦めてしまう前に、まずは「なぜ対象外なのか」を確認することが大切です。